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生き残っていたライオン [番外・ネコ科の動物]

世界最大種のネコ科はアムールトラだとお話ししたことがありますが、以前はバーバリライオンという種がいました。アトラスライオンとも呼ばれていたライオンなのですが、このライオンには体長3.25m+尻尾が0.75mという個体の記録が残っています。現在のエジプトからモロッコにかけて生息していたライオンの一種で、
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現存するネコ科の亜種のどれよりも大きかったといわれています。
「ライオンの中のライオン」といわれるとおりに体格もがっしりしていて、胴体にまで達していたという黒い鬣は非常に見栄えがするもので、代々のローマ皇帝の手により戦勝パレード用やコロッセオでの闘技用にたくさんのバーバリライオンが戦利品として捕獲されたそうです。ローマ帝国滅亡後も人の活動地域拡大や狩猟、捕獲などによって数が減っていきました。18世紀のうちにはリビアやエジプトからバーバリライオンは姿を消し、1891年にはチュニジアから、1893年にはアルジェリアからもその姿は消え、1922年にモロッコで最後の野生の個体が死んでしまい、絶滅したとされていました。
その後、1996年にイギリスの保護団体がモザンビークの閉鎖されたサーカスから、たくさんの動物を救出したところ、実はそのサーカスは自然動物保護区で密猟された野生動物たちの密輸の為の前線基地だったそうです。救出された動物の中に3頭のライオンがいたのですが、それがバーバリライオンととてもよく似た特徴を持っていた(特徴的な鬣とか)そうです。その後もイタリアで雌のバーバリライオンとよく似たライオンが発見されましたが、いずれもよく似た個体というだけで純血種とは確認できませんでした。
その後、2007年にも1頭が野生で生息しているのが確認されたそうですが、こちらも純血種のバーバリライオンかどうかはっきりしないそうです。混血種のバーバリライオンは飼育下繁殖が現在も続けられていてフランスの動物園に50頭ほど居るそうです。
ところが、2012年にモロッコのムハンマド5世という方の私設動物園で純血種の個体群が生き残っていたことが判明しました。国内の各部族から王への忠誠の証として献上されたバーバリライオンを集めて飼育していたのだそうです。現在はモロッコのラバト動物園で32頭が飼育されていて、動物園の開園当時には3頭の赤ちゃんバーバリライオンが生まれたそうです。純血種が生き残っていたとしても、野生での生息は確認できておらず、生息数も飼育下で100頭にも満たないと、まだまだ現状はバーバリライオンにとっては厳しいものですが、絶滅したと思われていた種がこうして生き残っていることは、勝手だと思いますが喜ばしいことです。

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